不当解雇・退職勧奨

〈不当解雇〉

解雇とは、「会社が一方的に」労働契約を終了させることをいいますが、会社は、「客観的に合理的な理由」があり「社会通念上相当である」場合でなければ解雇をすることはできません(労働契約法16条)。

ですから、会社から解雇をされてしまった場合でも、あきらめてはいけません。当事務所の弁護士は、皆さまから詳しい事情をお聞きし、その解雇の有効性についてアドバイスします。その上で、どのような方針で、どのような手続で解雇について争うのかについても丁寧にご説明します。

〈退職勧奨〉

解雇とは異なり、「労働者が一方的に」労働契約を終了させることを「辞職」といいます。期間の定めのない労働者(主に正社員)の場合、たとえ会社が「辞めさせない」と言っても、辞職の意思を表示してから2週間で労働契約は終了します。

また、解雇は厳しい要件の下でしか認められませんので、会社が「辞職」を促すいわゆる「退職勧奨」を行うことが頻発しています。

しかし、このような退職勧奨に応じる義務は全くありません。もし、退職勧奨にあった場合には、決してこれに応じず、まずは当事務所の弁護士に相談してください。

残業代請求

〈割増賃金の原則〉

法定労働時間(1週40時間、1日8時間)を超えて働かせた場合、法定休日に働かせた場合、深夜(午後10時から午前5時)に働かせた場合、会社は労働者に割増賃金を支払わなければなりません。

〈労働時間って?〉

実際に働いた時間が労働時間であり、会社があらかじめ決めた時間が労働時間ではありません。

例えば、休憩時間が1時間だと決まっていても実際には休憩時間がとれていなければ、その時間も労働時間です。始業時刻前や終業時刻後の掃除・着替えなども労働時間と評価される可能性があります。

また、仕事をせずに待機している時間も、場合によってすぐに対応せざるを得ない待機時間は、完全に労働から解放されているわけではありませんので、労働時間になります。

〈よくある未払いの手口〉

「手当の中に残業代が含まれている」、「固定給の中に残業代が含まれている」、「残業してほしいと会社がお願いしたわけではない」、「仕事がきちんとできるようになってから言え」などと言って残業代を支払わないことがよくあります。

ですが、このような場合でもほとんどの場合、残業代支払い義務はありますので、ぜひご相談ください。

〈証拠がないけど・・・〉

タイムカードのように、出社・退社時間が客観的に分かるものがあればそれに越したことはありませんが、そういったものがない場合も諦めないでください。

①メモ、②メールやLINE、③スイカやパスモ、④PCのログデータ、⑤入館記録等々

働いた時間を証明できるものはたくさんあります。その証拠で残業を証明できるか、まずは当事務所の弁護士にご相談ください。

 

労働災害(労災)

〈労働災害(労災)って?〉

仕事が原因で怪我をした、病気になった、あるいは死亡した場合、労災保険の受給と会社に対する損害賠償の請求ができます。

労災保険として、治療費や治療のため会社を休んだ場合の生活費などが支給されますが、慰謝料など労災保険では支給されない損害もありますので、これを会社に対して請求します。

〈立証が大変なので弁護士まで〉

「仕事が原因」で怪我をしたり病気になったりしたかどうかは、仕事の内容や当時の具体的状況などから総合的に判断されますので、労災に関する知識やノウハウのある弁護士に相談した方が確実です。

 

ハラスメント(パワハラ・セクハラなど)

〈ハラスメントとは〉

ハラスメントとは、「いやがらせ」を意味しますが、「パワハラ」や「セクハラ」だけではなく「マタハラ」や「資格ハラスメント」など様々な形で行われています。

〈パワハラを受けたら〉

違法なパワハラとして法的責任を追及できるかどうかは、行為の程度や回数などによります。

違法と評価されるものとしては、単に暴言だけではなく、仲間との切り離し、仕事取り上げなどもパワハラにあたることがあります。

重要なのは証拠を確保することです。録音をとったり、メモを残したりしておくことは必須です。パワハラにより体調を崩した場合には診断書も書いてもらいましょう。

〈セクハラを受けたら〉

セクハラもパワハラと同様に、違法といえるかどうかは行為の程度や回数などによります。嫌な思いをしたときは、すぐにメモに残しましょう。
 

労働条件(賃金など)の一方的切り下げ

賃金、労働時間、休日などの労働条件は、労働契約(双方の合意)によって決定されるのが原則であり、労働者の同意なく、会社が一方的に切り下げることはできません。

就業規則を変更すること、または労働協約を締結することにより、労働者の同意なく変更できる例外もありますが、そのような事情がない場合には、すぐに弁護士にご相談ください。もし、同意をしてしまったとしても、錯誤(重要な点について思い違いをしていた場合)や詐欺・強迫によって同意をしてしまったのであれば、取消や無効を主張できます。あきらめずに是非ご相談ください。

 

人事異動(配転・出向など)

配転とは、同じ会社内で業務内容又は勤務地を変更することをいいます。会社では頻繁に行われる人事異動方法ですが、配転命令は必ず従わなければならないものではありません。

まず、就業規則や雇用契約書に、会社が配転を命じることができる旨が定められていない場合になされた配転は違法・無効です。

また、採用の際に職種や勤務地が限定されていれば、それに反する配転は違法・無効です。

さらに、配転が不当な動機による場合や労働者に著しい不利益を与える場合にも違法・無効となります。

配転に似たものとして、出向がありますが、これは雇用先企業の従業員でありながら、他企業で働くことをいいます。出向命令が認められる場合は配転命令の場合と基本的には同様ですが、より明確に出向命令権が契約内容となっている必要があります。「こんな人事異動が認められるのか?」と疑問に思ったら当事務所までご相談ください。

 

労働組合との関わり

労働組合とは、労働者が会社に対して自分たちの労働条件の改善を求めたり、不当な解雇を撤回させたりするなど、労働者の権利を守るために結成される団体です。

憲法で、労働組合を作る権利、労働組合として使用者と交渉する権利、ストライキなどの行動をする権利が労働組合には保証されています。

当事務所は労働組合と一丸になり、労働者を守るたたかいを続けてきました。職場にとどまりながら、職場に対して自分の主張をしていくためには、労働組合の力が不可欠です。当事務所にご相談いただければ、適切な労働組合の紹介や労働組合の作り方をアドバイスできます。

上記以外でも、労働に関する法律問題について、ご相談下さい。